2025年6月18日、VR音ゲーの代名詞とも言える 『Beat Saber』 がPlayStation向けのサポートを段階的に終了するという衝撃的なニュースが発表されました。PlayStation VR/VR2における最後のアップデートは6月18日、そしてマルチプレイヤー機能も2026年1月21日で終了予定となっています。
この決定は一つのゲームの終わり以上に、VRゲーム市場そのものの構造変化を象徴する出来事として、大きな波紋を呼んでいます。
Beat Saber PS対応終了のスケジュール
日付 | 内容 |
---|---|
2025年6月18日 | PS4/PS5(PSVR/PSVR2)向けのアップデートと新DLC配信を終了 |
2026年1月21日 | PSプラットフォームでのマルチプレイヤー機能の提供を終了 |
✅ 既存の購入済みDLCやゲーム本体は継続利用可能。クロスバイも維持されます。
なぜPlayStation対応をやめるのか?
『Beat Saber』を開発するBeat Gamesは、2019年にMeta(旧Facebook)傘下のOculus Studiosに買収されて以降、Meta QuestおよびSteamVRプラットフォームへの集中を強めてきました。
- DLC制作や楽曲ライセンス管理の負荷
- PSVR2の市場規模の小ささ
- Meta側の開発投資戦略
といった理由から、コストと利益の観点でPlayStationプラットフォームの継続サポートが困難になったと見られています。
ユーザーの反応は?
SNSやRedditでは多くの反応を観測しています。
「マルチプレイまで止まるとは…PSVR2を買った意味がない」
「Metaのエコシステム以外は切り捨てる気だな」
「PSで買ったDLCが活かせなくなるなら返金してほしい」
といったコメントが多数見受けられ、PSVR2の将来性に不安を感じるユーザーが増えつつあります。
VRゲーム業界全体が迎える「転換点」
Beat Saber撤退の背景には、現在のVRゲーム業界の厳しい現状もあります。以下の表は、2025年時点でのVR市場の主な動向をまとめたものです。
項目 | 現状 |
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VRハードのシェア | Meta Questシリーズが6割以上。PSVR2は市場で苦戦中 |
大手タイトルの供給 | Half-Life: Alyx以降、AAA級の新作が停滞 |
開発コスト | 高騰するDLC/IPライセンス費により継続困難な小規模スタジオが増加 |
ユーザー層 | VRコア層がQuest中心に集約、PS・PCVRは停滞気味 |
投資動向 | AR/MRや空間コンピューティング分野へとシフト中 |
今後のVR/XRはどうなる?
Meta Quest中心の展開
Quest 2/3は価格・機能のバランスが取れており、カジュアル〜中級者層を取り込んでいるプラットフォームです。VR界隈の大多数がQuest派なのではないでしょうか。Beat Saberも今後はこちらに注力していくと見られます。
PSVR2の苦境
ハードとしての性能は優秀ながら、ソフトの供給・マルチ展開の遅れが致命的です。
PSVR2用の新作タイトルって最近なにかありましたっけ???というくらいに影が薄いです。
VRからMRへの移行
Meta Quest 3、Apple Vision Proの登場によって、VR一辺倒からMR(複合現実)重視の設計へシフトしている傾向が強まっています。VRゲーム単体では採算が取りづらく、より幅広い応用が求められています。
PS版ユーザーの選択肢
選択肢 | 内容 |
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PSでプレイを継続 | 既存のDLCやソロプレイは維持されるので、そのまま遊び続けることは可能 |
Quest/PCVRへ移行 | マルチプレイを含む完全体験を求めるならMeta Quest 2/3やSteamVR版への移行がベスト |
他VR音ゲーを試す | 『Synth Riders』『Pistol Whip』など、PSVR2向けの代替作品も検討対象に |
まとめ:Beat Saberが教えてくれた「終わりと始まり」
『Beat Saber』のPlayStation撤退は、単なる一ゲームの終焉ではなく、VRゲーム市場の地殻変動を象徴する出来事です。
✅ VRからMRへ
✅ コンソールからスタンドアロンへ
✅ 広く浅くより、深く濃い体験へ
この変化を前向きに捉えるなら、今は「次世代のVR/XR体験への助走期間」とも言えます。(少し前にもVR元年というキャッチコピーが躍っていた気がしますが……)
VRゲームが再び盛り上がるその時まで、プレイヤーはBeatを刻み続けるしかありません!