日本を代表するゲームパブリッシャー「カプコン」が、2025年5月、決算説明動画内で同社の本社隣接地に新たな開発拠点の建設を進めていることを明らかにしたそうです。動画自体は視聴していないのですが、集めた情報などからその概要と、なぜこのタイミングでの拠点増設なのか、背景と今後の展望を深読みしてみます。間違ってたらごめんね。
新拠点の概要と目的
カプコンの発表によると、新拠点は大阪市内の本社隣接地(大阪府大阪市中央区内平野町)に建設されており、2027年の竣工を目指して工事が進行中です。さらに将来的には、近隣地への追加取得も計画されているとのことで、ただの拡張ではなく、長期的な開発体制の強化と見られます。
目的としては以下のような内容が挙げられています。
- 開発ラインの増設による新作リリースの加速
- グローバル市場を視野に入れた品質・ボリュームの拡大
- 優秀なクリエイターの確保と開発環境の最適化
- 社内のナレッジ共有促進と部署間の連携強化
このように、新拠点は“施設”というより、クリエイティブ戦略の中核拠点として位置づけられている印象です。
なぜ今なのか? カプコンの成長と課題
カプコンは近年、以下のような成功を収めており、収益面では極めて好調です。
- 『モンスターハンター』シリーズの世界的大ヒット
- 『バイオハザード』シリーズの商業的・評価的成功
- アーケードIPのスマホ展開やeスポーツへの投資
KuroMikanが勤める会社でも他社比較としてよくカプコンの名前が挙がりますが、利益率のグラフではカプコンは同業他社と比べて利益率がダントツに高いです。本当にすごい会社です。
しかし一方で、以下のような課題もあります。
- 開発ラインの不足によるIP展開の遅れ
- 新規IP創出の低迷
- 他社と比べた開発規模・スピードの見劣り
これらの課題を解消し、人気シリーズのAAAタイトルや新規IPモノのパイプラインを増やしてホームランの本数を上げるためには、社内体制の再構築が必須。新拠点はその象徴的な一歩と言えるのではないでしょうか。
まとめ
カプコンの新開発拠点は、単なる増築ではなく、今後10年のゲーム開発競争を見据えた戦略的布石です。
「RE ENGINE」以降、技術的リーダーシップも取ってきたカプコンが、この施設をどのように活用していくか──競合他社に所属するKuroMikanもその動向から今後も目が離せません。