スマホ黎明期の人気RPG『ブレイブフロンティア』のスピンオフ作品『BRAVE FRONTIER HEROES(以下ブレヒロ)』が、2025年10月、クラウドファンディングを開始しました。
目標は明確。「支援が集まればサービス続行、集まらなければ10月末で終了」。
まさにIPの存続をかけた瀬戸際です。
なぜこんなことになったのかというと、ブレヒロの開発・運営をおこなっていた国内ブロックチェーン関連企業ダブルジャンプトウキョウ(double jump.tokyo)が、10月31日でサービス終了すると発表したことに起因します。
これを受けて、運営チームはサービス継続のため、有志でクラウドファンディングを実施し、運営資金を集めると発表しました。また、これにより新会社を設立してブレヒロの独立運営を目指すというのです。
このクラファン開始には、運営会社の事情や、今のブロックチェーンゲーム業界の厳しい現状も大きく関わっています。
そもそも「BRAVE FRONTIER HEROES」とは
BFHは、かつて世界中で数千万DLを記録したブレフロのキャラクターや世界観を活かしたブロックチェーンゲームです。
ドット絵キャラがバトルを繰り広げ、登場キャラをNFTとして所有・取引できるという特徴があります。
従来のスマホゲームとは違い、“Web3型ゲーム”として2020年1月30日からサービスが続いてきました。
ただ、その運営スタイルゆえに一般ユーザーにはなじみづらく、ブレフロファンの間でも「ブロックチェーンゲームにしてまで残すべきか?」と賛否が割れていた側面もあります。
背景にある「doublejump.tokyo」の苦境
ブレヒロを運営するのは、日本発のブロックチェーンゲーム企業「doublejump.tokyo」。
代表作には『My Crypto Heroes』があり、これまでに複数の資金調達を成功させてきました。2024年には約10億円の資金も調達しています。
しかし現実は厳しく、CryptoRankなどの指標を見ると投資家へのリターンはマイナスが続いています。同社の主要タイトルも、ブームに乗り切れず伸び悩んでいる印象です。ブレヒロだけの問題ではなく、ブロックチェーンゲーム業界そのものが、今まさに“冬の時代”に差しかかっているとも言えます。
2021~2022年頃は「Play to Earn」やNFTゲームが話題になり、多くのスタートアップが参入しました。しかし、2025年に入ってからは明らかに勢いが落ちています。
たとえば、2025年Q2のデータでは
- ブロックチェーンゲーム全体のユーザー活動が前期比17%ダウン
- ゲーム関連の資金調達は前年同期比93%ダウン
つまり、「話題先行」で投資が集まった時期が終わり、実態と向き合うフェーズに入ってきたのです。
今後の注目ポイント
クラウドファンディングの今後を見るうえで、注目すべきポイントは以下の通りです。
- 支援目標はどれくらい? いつまで?
- リターン内容はNFT? 特典?
- サービス継続の条件は明確に示されるのか?
- 既存ファンと新規プレイヤー、両者にどう訴求するのか?
特に公式からの追加発表や、支援者向け情報の透明性が今後の流れを左右しそうです。
おわりに:ゲームは「作る側」だけのものじゃない時代へ
ブレフロヒーローズのクラウドファンディングは、単なる存続のための資金集めではありません。
それは「ユーザーが運命を握る」という時代の象徴であり、Web3ゲームのあり方を問う試金石でもあります。
IPが好きだから支援する、続いてほしいから応援する。
その“推し方”が、これからのゲーム業界ではスタンダードになっていくといいですね。
クラファンの行方と共に、ゲームの未来を見届けましょう。
 
  
  
  
  
