近年、ゲーム開発の現場ではUnreal Engine(UE)が圧倒的なシェアを誇る時代になってきました。とくにコンシューマー機向けのAAAタイトルにおいては、Epic Gamesが提供するUEの高い描画性能とツール群が支持され、Unityの存在感はやや薄れつつあるのが実情です。
なんならミッドコアスマホゲームのエンジン選択においてもUEを採択する動きが加速しています。
そんななか、2025年11月にUnityが発表したニュースは、業界に静かな波紋を広げました。
2K Gamesとの複数タイトルにわたる開発パートナーシップを締結し、コンシューマー機市場に本格的に切り込む動きを見せたのです。
提携第1弾は「PGA TOUR 2K25」Nintendo Switch 2版!
Unityと2K Gamesの協業第一弾として発表されたのは、現在発売中のスポーツゲーム『PGA TOUR 2K25』のNintendo Switch 2向け移植プロジェクトです。
この移植開発は、Unity社内スタジオ「Unity Studio Productions」と2Kのスタジオが共同で担当。Unityの発表では、「マルチプラットフォーム開発環境としてのUnityの強み」を証明する一歩になるとしています。
とくに新型機であるSwitch 2への対応では、Unityの柔軟性・軽量性・移植性が生きる形となり、開発コストを抑えながら広いユーザー層に展開できるメリットがあります。
なぜ今、Unityなのか?Unreal主流時代への逆張り戦略
Unreal Engineがハイエンドなグラフィックを武器に多くのAAAタイトルを支配する中で、Unityはしばしば「モバイルやインディー向け」と位置付けられがちでした。
しかしUnityは、以下のような強みを再び前面に押し出そうとしています。
- あらゆるプラットフォームへの柔軟な対応(モバイルからコンソールまで)
- 小〜中規模チームでも扱える開発フローとコスト感
- 一度の開発で複数機種へ展開可能なアーキテクチャ
こうした特徴は、Switchのように性能が制限される環境や、世界中のさまざまな市場にゲームを同時展開したいパブリッシャーにとって魅力的な要素になります。
Unityは“再浮上”できるのか?今後の焦点に
2K Gamesは、スポーツゲームだけでなく多くの人気シリーズを抱える大手パブリッシャーです。
今回の提携が単なる一時的な協力にとどまらず、今後のシリーズ作品や新規IPにも波及すれば、Unityにとって大きな信頼の獲得につながります。
また、この提携は「開発現場の選択肢がUnreal一択になりがちな現状」に一石を投じる意味も持っています。
業界が複数エンジンの競争状態を取り戻すことは、結果としてゲーム開発の多様性や健全な価格競争、ひいてはプレイヤーへの恩恵にもつながるでしょう。
Unityユーザーやインディー開発者にとっても、この提携は「もう一度Unityで大きなことができるかもしれない」と感じさせてくれる一報だったのではないでしょうか。

